「老化・寿命研究の最前線」part4:老化は治療の対象ではなく、予防に重点を置くべき

NMN

NMNを皮膚に塗るのは老化防止の効果はあるのか?

現在、NMNを皮膚に直接塗布することに関する研究がいくつか行われています。特に、NMNが速やかに皮膚に浸透し、色素沈着を抑制する作用や抗炎症作用があるという報告があります。例えば、メラノサイトにおける色素生成の抑制や、日焼け後の炎症を緩和する効果が観察されているという研究結果があります。しかし、これらの効果については、まだ皮膚科領域での詳細な臨床研究が行われていないため、確かな科学的根拠はこれから確立されることになります。

これらの知見に対して、さらに詳細な情報を得たい場合は、関連する研究や製品を提供している各企業への直接的な問い合わせや、情報開示の要求が有効なアプローチであると考えられます。したがって、皮膚へのNMN塗布が前進性の効果を持つかどうかについては、現段階では明確な回答を提供することは困難であり、それぞれの研究結果や製品情報を検証する必要があります。

NMNの使用に関して、その安全性や効果に確信がある場合、製造企業は基本データの公開に消極的であるべきではありません。体重に基づいたNMNの用量調整が必ずしも必要ではないことが、複数の研究から示唆されています。

しかし、体重というよりは、個人の健康状態や体脂肪の質がNMNの必要量に関わってくると考えられています。特に、健康な脂肪組織はE7PTを分泌し、NMNの必要性が低い可能性がある一方で、肥満による炎症はNADレベルを下げる傾向にあります。

250mgのNMN投与が広く標準とされていますが、スポーツ選手を対象とした研究では、より高用量が効果的であったという報告も存在します。そのため、健康な脂肪を保持することがNMNの効果を最大化する鍵であり、個々人の健康状態に合わせたNMNの使用が推奨されます。最終的に、NMNの使用に際しては、個人の体質や健康状態を考慮し、必要に応じて専門家の助言を仰ぐことが重要です。

NMNの摂取に関しては、体内での吸収上限があるため、大量摂取しても必要以上は吸収されないことが知られています。その上限はおそらく500mg程度であり、既に250mgで効果が確認されています。一方で、NMNが水に溶かした際の安定性について誤解がありますが、NMNは高純度であれば室温で10日間保管してもほとんど分解されません。赤血球に関しては、NMNの運搬役としての機能は明確ではなく、脾臓で壊される際にNMNが放出される可能性がありますが、これはまだ仮説の段階です。

大量にNMNを摂取した場合の副作用についても注意が必要で、ニコチンアミドの大量生成により肝臓障害を引き起こす可能性があります。これはニコチンアミドの処理に必要なメチル化反応に関連しており、過剰なメチル基の消費が問題となります。

この問題を回避するためには、メチル基を供給するTMGの同時摂取が推奨されていますが、これはまだ人間での検証が必要です。したがって、NMN摂取の安全性に関するさらなる研究が求められています。

将来、血中に存在するE7PTの量を人工的に増加させる技術の開発が非常に重要となります。NMNやその他のE7PT由来の物質を活用して老化防止効果を実現する研究は進行中で、既にNMNは入手可能であり、その基礎科学は確立されています。人間におけるNMNの効果について、これからさらに検証が進められる予定ですが、既にE7PTに関する研究が行われており、これらの研究が老化防止に対して有益であると証明されれば、人間においてもNMNの有効性が高いと評価されるでしょう。

この技術を基に、アメリカと日本での社会実装に向けた研究が進められています。ただし、この分野における「深層」という明確な概念は特になく、研究者間の長年にわたる協力関係が重要であるとされています。例えば、研究者が家族のように密接に関わり合いながら、互いに競い合う関係性は、科学研究においても重要な要素です。この点で、老化をどのように捉えるかについて、異なる見解が存在することもあり、この多様性が科学進歩の鍵となります。

老化は病気ではなく、自然な生理的プロセスであり、ロバストネスの変化と崩壊の過程として理解されています。これは、さまざまな機械や作成物に見られる現象と同様であり、メカニズムを伴って起こります。

したがって、老化を治療の対象とするのではなく、予防に重点を置くべきであるというのが私の考えです。これは、老化が自然な過程であり、その機能低下をできるだけ避けるべきという視点からのものです。これに対して、一部の研究者は老化を病気と見なし、治療可能なものとして創薬に取り組みたいと考えています。

しかし、私は老化予防においては、薬に頼ることなく、広くアクセス可能で科学的基盤のある方法を用いるべきだと主張しています。薬を使うと、その入手には医師の処方が必要になり、予防の手段としては実用的でないためです。したがって、一般に入手可能な製品を通じて老化予防を広く推進すべきだと考えています。

出典

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